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2020年度の作品

No.3 『 自分で選んだ道 』  
        広大附中・広島学院中・修道中・広島なぎさ中/Uくん

「自分の番号がある!え?え!?」
ぼくは夢だと思った。
「一年間サッカーをがまんして勉強をがんばった成果が出た。」
ぼくは思わずとび上がってしまった。第一志望校合格出来た。
 ぼくは一年生の時から、サッカーチームに入っていた。学校の休けい時間もサッカー、放課後はチームの練習、土日はほとんど休みなく試合。サッカーが上手になりたい。僕の頭はサッカー一色だった。サッカー仲間と地元の中学校へ進学し、強いチームを目指す。それがぼくの目標だった。
 五年の終わり、たまたま見たホームページで修道のサッカーのイベントに参加してみた。自由な校風の修道へ進学し、のびのびとサッカーをしたい。
「修道のサッカー部へ入りたい。」
 突然、受験を決め、六年の春から家庭学習研究社に入った。塾とサッカーの両立は難しいので、サッカーは一年間我慢することにした。中学校で楽しくサッカーをするために今からがんばるぞ、という気持ちではり切っていた。しかし、入塾テストでは、自分でもびっくりするくらい国語のテストで悪い点を取ってしまった。六年部の学習はすでに始まっていた。十か月でみんなに追いつけるかととても心配になった。みんなにおくれてテキストをもらい、家で予習をやろうとした。全然わからなくて自然に涙が出た。それでも楽しく中学校へ通っている自分を想像し、やる気を出して強い気持ちで勉強した。母から、
「少しでも分からない所があるのなら、えんりょせずに、どんどん先生に質問するといいよ。」
とアドバイスされ、積極的に質問するようにした。すると、二回目のマナビーテストではぐんと順位が上がりすごくうれしかった。遅れている分、人一倍努力した。
塾の行き帰りの電車、塾の休けい中もテキストを開いた。成績が上がるにつれて、自信がつき勉強が楽しくなった。国語はなかなか力がつかなかったので、塾の補習は、国語に参加することに決めた。毎日のように長文を読んで問題を解いていった。模試での国語の成績がなかなか伸びず困っているときに、姉が
「国語は音読をすると力がついてくるよ。」
と教えてくれた。受験の先ぱいの姉の言葉を信じてみよう。まだ、本番まで三か月ある。音読の記録表を手作りし、毎日十分以上音読をした。算数はまちがえた問題や不安な問題に印をつけ何回もくり返し解き直し、パターンを覚えた。理科は基そをしっかり覚え、応用で難しい所は先生に教えてもらった。社会はすきま時間に暗記した。学校の友達がサッカーをがんばっている。ぼくは大好きなサッカーをがまんしてがんばっているんだからと自分に言い聞かせ、やる気を出した。最後の模試は、全ての学校がA判定になった。まさか自分がここまできたのかと信じられなかった。
 そして迎えた本番。修道中学校の入試当日、平常心を保とうとしたけれどきん張が大きくなっていった。先生や友達と会って話すうちにきん張がほぐれていった。
 キーンコーン、カーンコーン
試験開始の合図。今までやってきたこと、先生のアドバイス、家族や友達からの応援を力にかえ最後まで力を出し切った。
 受験を通して学んだこと、それは毎日コツコツ一生けん命目標に向かって努力することの大切さ。さあ、大好きなサッカーに打ち込むぞ。遅くから入っても一から教えてくださった先生方、応援し支えてくれた家族、本当にありがとうございました。

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