「算数は、苦手意識を持っているから出来ないんじゃない?」と理科の先生は言った。これが私の忘れられない言葉。
私は、五年生の時に家庭学習研究社に入塾した。入塾した当初から、理科は大好きで点も取れていた。しかし、どうしても算数の点は、四十点、五十点台しか取れていなく苦手科目は、算数となっていた。
それから、六年部になってまもない頃だ。授業が終わりいつもどおり帰る支度をしていた時、理科の先生に「今の苦手教科は何?」と声をかけられた。私は、五年部から変わらず算数が苦手だったので「算数です。」と答えた。すると理科の先生は、「算数は、苦手意識を持っているから、出来ないんじゃない?だって、理科良く点取れてるじゃん!」「算数でわからない所があったら、算数の先生に分かるまできくんだよ。」と言ってくれた。
私は、苦手意識という言葉がずっと頭に残っていた。苦手意識……確かに私は算数ができない、苦手科目は、算数だ、と思い込んでいる所があった。しかし、この理科の先生との会話がきっかけで算数の問題を解くとき、理科の計算ができるんだったら、算数だってできるなどと自分に言い聞かせたり、算数で分からない問題があったら、算数の先生に質問をしたりすることを頑張った。
すると、五年部や六年部の前期に比べて算数のテストの点が六十点、七十点台と確実に点が上がってきた。さらに、すらすらと問題が解けるようになり、点数が取れてくると問題を解くことが楽しくなって、算数は、苦手科目から、得意科目へと変わっていった。そして、六年部後期の最後のテストでは、今までのテストで最高得点がとれた。その時は、とても嬉しくて、母と跳びはねた。その調子で、中学受験へ向かった。
私は、広島県立広島中学校、広島市立広島中等教育学校を志望としていた。そのために、二週間に一度ある、県立対策や、市広対策を頑張り、過去問をひたすら解いた。受験シーズンの時も、理科の先生と話した、「苦手意識を持っているだけだ!」という言葉を心に刻んでキライな科目も頑張った。
そして、いよいよ来た、一月十五日市広の入試だ。私は、今まで学んだことを全て出しきった。面接も家で何度も練習をしたのでハキハキと話すことができた。一月十九日、市広の合格発表の日。私の受験番号はなかった。悔しくて悲しくて涙がこぼれた。
数日後、市広から電話があった。それは、繰り上げ合格の電話だった。その時は、とても嬉しくて、今度は嬉し涙がこぼれた。市広は、涙の受験といっていいだろう。
これから受験を迎える皆さん。先生たちを信じてついていけばきっと大丈夫!! そして、素晴らしい言葉を私にくださった理科の先生、いつも丁寧に教えてくださった算数の先生を始めとする三篠校の先生方、本当にありがとうございました。