ぼくの勉強時間は、多くの受験生よりも短かったと思います。小学校、一生に一度しかない時間を楽しみながら、受験という大きな山をこえようとしていました。
ぼくは四年生から塾に通いはじめ、当時はテストだけを塾に受けに行っていました。ぼくの成績は、五年生になり、社会と理科という科目が現れたことで低迷していきました。
そこからいろいろな勉強法を自分で試してみました。そして、個人的に最も効率的で、成績向上につながる勉強法が分かりました。
「国語の学習に時間を多く使う」という方法です。国語の力、特に読解力は、他の三教科にも必要になってきます。算数や理科の、条件が複雑な問題、社会の長文問題など、多くの問題に読解力が求められている、と考えます。国語の勉強に力を注ぐと、その他の三教科でも問題が解けるようになります。
ですが一つ、みなさんにかん違いしないでほしいのは、「国語の勉強さえしていれば点数が取れる」というわけではないということです。ただし、前述した点や、入試での点数配分が高い点を考えると、国語を重点的に勉強することで最も効率的に点数を取ることが出来ると思います。
では、実際にぼくが行った国語の勉強をお話します。
まず一つ目に、復習にあまり時間をかけすぎないことです。漢字や文法、間違えた問題はしっかりと復習する必要がありますが、それ以外は復習をする必要があまりありません。一つの文章に時間をかけるより、多くの文章を読んだ方が成績は上がりやすくなると思います。
二つ目は、慣れるまでは線を引くことです。文章の中の大切な部分に線を引くことで、問題が解きやすくなります。また、大切な部分を見つけるトレーニングにもなるので、慣れるまでは線を引くのをおすすめします。慣れてくると、線を引かなくてもすぐに大切な部分を見つけられるようになります。そうなれば、線を引く必要はありません。
最後に、三つの「速」と「確」を意識することです。三つの速とは、速く読む、速く解く、速く捨てる、です。三つの確とは、確実に読む、確実に解く、確実に取る、です。
読むと解くはそのままの意味です。速く捨てるというのは、解けない問題は出来るだけ速くに飛ばし、一問でも多く解くことで、より多く点を取っていくということです。特に、記述が少ないテストや学校なら、記述を捨てるというのも立派な戦略です。もちろん、時間が余ったら捨てた問題にもどり、解いていきます。そして、確実に取るというのは、問題の条件や何を問われているのかをしっかりと押さえた上で確実に答えを導くことです。これができていないと、ケアレスミスで解けたはずの問題を落としてしまうことになります。
国語というのは、「経験」がものを言う教科です。だから、なかなか結果が出ないこともあるでしょう。でも、あきらめないでください。今みなさんがしている勉強は、必ず、みなさんの力になります。
困ったことや、分からないことがあったら、家族や先生方に相談してみてください。親身に相談に乗ってくださると思います。これからの受験勉強、辛いことや大変なこともたくさんあると思います。でも、あきらめずにがんばってほしい。受験という大きな山をこえるために。もしかしたら志望校に落ちてしまうかもしれません。そうなってしまったとしても、目標に向かって努力した「経験」は、きっと自分の未来を輝かせてくれる。ぼくは、そう信じています。がんばれ、受験生。